こんにちは、小学部算国・中学部理社を担当している小澤です。

現在みなさんは、新型コロナウイルスの蔓延により、生活面はもちろん、勉強面においても今までとは、大きく異なる環境におかれて過ごしていると思います。

私は、社会の授業を担当していますので、感染症の歴史について書きたいと思います。

感染症というのは、環境中[大気、水、土、動物(人も含む)など]に存在する病原性の微生物が、人の体内に侵入することで引き起こす病気のことです。

 14世紀に、ヨーロッパを中心に大流行した感染症に「ペスト」というものがあります。ペストは、ネズミやそれにつくノミやシラミなどの動物から人間に感染したものといわれています。当時のヨーロッパでは多くの死者を出すだけでなく、人々は、「神の怒り」だと恐れ、不安とパニックにおちいり、略奪や差別、デマなども多く出回りました。その後もペストは何度か大流行をもたらしましたが、その病原体の正体は分からないままでした。

 19世紀末、香港で大流行したペストは世界に広がりました。その時、香港で病原体の正体である「ペスト菌」が発見されました。発見したのが日本の細菌学者である北里柴三郎でした。その後1897年に「伝染病予防法」、1899年には「開港検疫法」の法律が整えられ、そのおかげで日本にはペストがほとんど入ってきませんでした。

 感染症においての日本人の功績は、北里柴三郎だけではありません。20世紀になり、中南米で猛威をふるった「黄熱病」の研究で大きな功績を残した野口英世も忘れてはいけません。

 このように日本人が、世界の感染症において大きな功績を残したことは誇れることです。

 現在猛威をふるっている「新型コロナウイルス」では、「アビガン」というインフルエンザ用の薬が一番効果があるのではないかということで注目を集めています。実は、この薬も日本で開発されています。決して楽観視するわけではありませんが、現在治療薬やワクチンなどが、急ピッチで世界中で研究開発されています。ひょっとしたら我々が考えている以上に早く特効薬やワクチンが開発されるかもしれません。暗いことを考えたり、不安になったりすることよりも、そのような希望を持ちながら、今を我慢していくことも大切かもしれません。

 今現在学校の授業はストップしています。これを逆にチャンスと考え、今まで分からなかったことを分かるようにしたり、中学3年生の受験生であれば1・2年生の復習をしていくいい機会だと思います。きちんと目標を立ててこの時期を乗り越えていくことにより、コロナが終息したときには、大きく成長できていると思います。

 いま日本でも、「新型コロナウイルス」は広がりつつあります。しかし、私たち一人一人が感染しないよう、さらに人にうつさないようにできることをきちんとやっていくことで必ず乗り越えられるはずです。