「すずめの戸締り」という映画が現在上映されていて大ヒットしています。

私はまだ見ていませんが、日本各地の廃墟を舞台に、主人公の少女が災いの元となる「扉」を閉める旅に出るという物語ということで、普段、映画やアニメなどは見ないのですが、「古事記」「日本書紀」などが隠れたテーマにもなっているということで是非見てみたいと思っています。

さらに、「すずめの戸締り」は海外での上映も決定されたということで、日本のアニメが海外でも高い評価を受けていることがうかがえます。

日本のアニメは海外のアニメに比べて、絵や音楽のクオリティーが高く、ストーリーも複雑で、人間の感情や人間関係なども繊細に描かれており、考えさせられる作品が多いので、大人が見ても面白いのが特徴だと思います。

そして、日本の文化や日本人独自の道徳観などがアニメの中に凝縮されているので、アニメを通して日本人というものを海外の人が知ることができるツールでもあると思います。

では日本人独自の道徳観とはどのようなものでしょうか。

たとえば、大きな災害などが海外で起きると、略奪や暴力など多くの混乱が起きることが多いです。

しかし、「東日本大震災」が起きた時、大切な肉親や住む家を失った悲しみの中、食料や水の配給時には、整然と整列して待つ姿が海外でも報道され称賛されました。

さらに、震災で流され、警察に届けられた金庫は5700個で回収された現金は23億円。

そのうちの96%の22億円以上が無事持ち主に返されています。

これも海外ではありえない事実として報道されています。

このような出来事の中に、決して海外では見られない美しい日本人独自の道徳観が現れていると思います。

海外では、信仰している宗教に基づいた道徳観が人々のモラルを支えている部分が大きいのですが、日本人の場合は宗教ではなく暮らしや生活の中での人と人とのつながりで自然に形成されています。

それが日本人の素晴らしい部分だと思います。

このような日本人の高い道徳観がアニメを通じて世界中に広がると、世界はもっといい方向にいくのではないかと思っています。

中学部主任 理科・社会担当 小澤